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水質検査項目解説

ここでは、水質検査項目についてそれぞれの意味、水質基準値等を解説しています。

金属項目

◆亜鉛及びその化合物

亜鉛は、自然界では植物の胚・鶏卵・イカ・タコ等の魚介類や動植物に広く分布していますが、自然水中に存在していることはあまりありません。従って、水中の亜鉛は鉱山排水や工場排水等の混入、あるいは亜鉛メッキ鋼管等の溶出による場合が考えられます。水道水中の亜鉛は、給水管・給水装置からの溶出による場合が多く、白濁や不快な収れん味を与えます。また亜鉛は、腸管からの吸収が少ないので経口摂取による健康障害は、特別の場合を除いてあまり問題になりません。

◆カドミウム及びその他化合物

カドミウムは、地殻中に亜鉛と共に存在することが多く自然界に広く分布し、地表水や地下水中に亜鉛の1/200程度含まれています。カドミウムは、合金・メッキ・顔料・ゴム・写真材料・窯業材料等の広い用途があり、水中に溶出してくることもあります。カドミウムの慢性中毒症としてイタイイタイ病があります。

◆セレン及びその化合物

セレンは生体微量必須元素で、体内で生成する有害な過酸化物の代謝に関係しています。欠乏すると心筋障害が生じます。高濃度では中枢神経障害等の急性毒性や食欲不振・皮膚炎・胃腸障害等の慢性毒性が現れます。天然には硫化物や硫黄鉱床等に多く含まれています。自然水中にも含まれることがありますが、その多くは鉱山排水や工場排水の混入によるものです。

◆水銀及びその化合物

水銀は無機水銀と有機水銀(アルキル水銀)化合物に分類できます。水銀の毒性について急性毒性よりも慢性毒性が重要であり、無機・有機水銀ともに神経系に影響を与えます。アルキル水銀に代表される有機水銀は腸管からよく吸収され、とくにメチル水銀は脳神経に分布して特異的な神経症状を起こします。上下肢・口周のしびれ・知覚異常・言語障害・歩行困難・狂躁状態を起こして死亡することがあります。これに対して無機水銀は吸収率が低く、尿中への排泄が比較的に多いのでその毒性はメチル水銀と比べれば低くなります。

◆鉄及びその化合物

鉄は自然界に広く多量に分布し、私達の身体の中にもかなり多量に含まれている必須元素の1つです。土壌中に多量に存在する元素ですから、地表水(河川水)・地下水にも含まれていることが多く、赤水として洗濯物を着色したり、お茶の味を悪くするという日常生活への影響がかなり考えられます。基準値 0.3 mg / l の値もこの観点から設定されています。

◆銅及びその化合物

銅は地殻中に存在し、私達の身体に必要な元素の1つです。銅イオンは、鉱山廃水・工場排水・農薬の混入や貯水池の生物抑制処理に使用する薬剤等に起因しています。水道中には銅管からの溶出があり、銅特有の金属味をつけることや着色があります。特に銅管を使用した給湯器は水温が高いために銅の溶出が多くなります。人体への影響については、数gの経口摂取で嘔吐・下痢・肝細胞壊死・腎障害等があります。

◆鉛及びその化合物

地殻中の鉛の存在量は比較的少なく、河川中には鉱山廃水に由来して溶存していることがあります。鉛は人間生活に古くから利用されている金属ですが、中毒の歴史も古いものがあります。重症では貧血・腹痛・腎障害・不妊を起こします。低濃度でも、鉛は神経毒ですから特に幼児の発育や精神の発達の遅れを起こす可能性があり、要注意です。また、最近は鉛管からの鉛の溶出の問題がクロ-ズアップされており、基準が強化された項目の1つです。

◆ヒ素及びその化合物

ヒ素は自然界にはいろいろな形で存在し、地表水や地下水に溶出してくることがあります。また人間の身体の中には常に微量存在している元素です。ヒ素化合物は、ガラス・染料・顔料・医薬品・農薬等の原料に用いられますので、水中に溶出してくることもあります。ヒ素の慢性障害としては、爪や毛髪の萎縮・肝硬変・知覚麻痺があります。また脳炎を起こして死亡することもあります。

◆マンガン及びその化合物

マンガンは自然界に広く分布していますが、鉄と共存していてその含まれている量は1/10程度です。消毒に用いる塩素によって微量含まれている場合でも着色することが知られています。基準値は0.05mg/lの値は、この観点から設定されています。(黒水障害)マンガンも必須元素の1つで、不足すると成長の鈍化・貧血・生殖障害などが見られます。高濃度のマンガンは有毒で、急性中毒として神経障害を起こし、倦怠感・頭痛・関節痛等を起こします。また、慢性中毒として不眠・筋萎縮・言語不明瞭等を起こします。

◆六価クロム化合物

クロムは一般には水に対する溶解性が低く地殻中に存在し、自然中に存在することは稀です。六価クロムとその化合物は、メッキ・顔料・皮革や織物工業・触媒・木材防腐剤として使用され、工業活動により環境中に放出される場合があります。六価クロムの急性中毒症状としては、激しい嘔吐と下痢・腎臓障害等があり、慢性中毒としては肝炎を起こします。

◆ナトリウム及びその化合物

ナトリウムは銀白色で軟らかく、伸展性があり、電気的陽性の強い1価の金属です。空気中では常温でも酸化されて被膜をつくり、光沢をなくす。還元力が強く反応性が高いので、遊離のまま天然に産出することはない。ナトリウム金属の用途は、原子炉の冷却材・ナトリウムランプ・光電管・合金(アルミニウムや鉛の合金)等である。ナトリウム塩は、融雪剤・紙・ガラス・石鹸工業・医薬品・一般化学工業・水処理・食品工業・調理等に様々な目的で広く使用されている。ナトリウムは人間にとって必須元素であり、ナトリウム塩は急性毒性物質ではないが、これは過剰摂取の場合嘔吐等で吐き出されるからである。稀に多量摂取した事故例による急性毒性として、痙攣・筋硬直・脳浮腫・肺浮腫等がある。

◆ホウ素及びその化合物

ホウ素は天然には遊離の形で存在せず、ホウ酸又はホウ酸塩として産出されます。ホウ素は金属精錬時の脱酸剤、ガラス、エナメルなどに使用され、海水に4.5mg/l程度存在し、海水淡水化を行う際に除去性が問題となることがあります。重症中毒では、血圧低下、ショック症状や中枢神経抑制による呼吸停止があり、慢性中毒では、食欲不振、嘔吐、皮膚症状などがあげられます。

◆アルミニウム及びその化合物

アルミニウムはクラーク数が7.56%(第3位)であり、地球表層部で酸素、ケイ素の次に多く存在する物質です。銀白色、比重2.7で展・延性に富み、熱・電気の良電体であることから、家庭用品、電気用品、航空機、車両、建築用資材などに使用されています。また、アルミニウム化合物は、浄水処理する際の凝集剤として広く利用されています。基本的には水に対する溶解度が小さいため、飲料水から摂取するアルミニウム量は、他の食品由来のものに比べると極めて少量です。アルミニウムの人に及ぼす有害な影響は明らかとされていませんが、近年では、アルミニウムの透析痴呆症やアルツハイマー病など神経性疾患との関連について研究が進められています。

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微生物項目

◆一般細菌

一般細菌と言うのは特定の細菌を示すのではなく、いわゆる雑菌を指します。そして病原性がないものが殆どですが、汚染された水では明らかにその数が増えます。病原菌は通常他の細菌に比較して、塩素消毒に対する抵抗力が弱いので、一般細菌を汚染の指標としています。地下水の中の一般細菌数は通常余り変化しないので、急に増加した場合は汚染された可能性があると言えます。

◆大腸菌

人や動物の大腸内に生息する常在菌で、食品や河川水などの自然環境に広く分布しており、糞便汚染の指標となる菌です。大部分は病原性を示しませんが、ある一部の菌は腸管に感染し、下痢を主徴とする急性の腸炎を起こす菌があり、これらを「病原性大腸菌」といいます。大腸菌は比較的熱や乾燥に弱いのですが、10℃以下の低温でも生育できます。(10℃~45℃で発育)また、75℃1分以上の中心部加熱もしくは60℃ 15分以上の加熱で死滅することが知られています。大腸菌検出時はその水が汚染されている可能性があり、また伝染病等の病原菌が混入してきても、それを除去する機構がその地域にないことを示していることになります。従って、直ちに原因を調べるとともに煮沸または塩素滅菌処理装置を設置する等の対策が必要となります。

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揮発性有機化合物項目

◆四塩化炭素

四塩化炭素は揮発性有機塩素化合物の一種で、フロンガス11,12等冷媒の原料、各種溶剤、洗浄剤に使用されています。四塩化炭素の人への健康影響には、肝臓や腎臓、神経系の障害があります。また、四塩化炭素は発がん性を有する物質である可能性があります。

◆シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン

シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンは揮発性有機塩素化合物の一種で、化学合成の中間体、染料抽出剤、溶剤、熱可塑性樹脂(熱を加えるとやわらかくなる樹脂)の原料に使用されています。シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンの人への健康影響には、麻酔作用があります。

◆ジクロロメタン

ジクロロメタンは揮発性有機塩素化合物の一種で、塗料の剥離溶剤、洗浄溶剤、天然物抽出剤等に使用されています。ジクロロメタンの人への健康影響には、中枢神経系の障害があります。また、ジクロロメタンは発がん性を有する物質である可能性があります。

◆テトラクロロエチレン

テトラクロロエチレンは揮発性有機塩素化合物の一種で、ドライクリーニング洗浄剤、原毛洗浄剤、金属洗浄溶剤、フロン113の原料に使用されています。テトラクロロエチレンの人への健康影響には、中枢神経系の障害、肝臓、腎臓への障害があります。また、テトラクロロエチレンは発がん性を有する物質である可能性があります。

◆トリクロロエチレン

トリクロロエチレンは揮発性有機塩素化合物の一種で、金属機械部品脱油脂洗浄剤、フロンガスの製造、ドライクリーニング洗浄剤等に使用されています。トリクロロエチレンの人への健康影響には、嘔吐、腹痛、中枢神経系の障害があります。

◆ベンゼン

ベンゼンは揮発性有機塩素化合物の一種で、染料、合成ゴム、合成洗剤の他、各種有機合成化学品の原料に使用されています。ベンゼンの人への健康影響には、中枢神経系の障害、再生不良性貧血、白血病があります。また、ベンゼンは発がん性を有する物質です。

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消毒副生成物項目

◆塩素酸

消毒剤としての次亜塩素酸を長期間保存すると、その塩素が酸化されて塩素酸濃度の上昇がおこることがあり、特に高温下での貯蔵はその上昇が顕著になります。塩素酸には、発がん性や変異原性があると指摘されています。また、赤血球細胞への酸化ダメージ(ヘモグロビン、血球容量、赤血球数の減少など)が考えられます。

◆臭素酸

オゾン処理時及び消毒剤としての次亜塩素酸生成時に、不純物の臭素が酸化されて臭素酸が生成されます。また、臭素酸は市販の次亜塩素酸ナトリウムにもふくまれていることがあります。臭素酸には、発がん性や変異原性があると指摘されています。

◆クロロホルム

クロロホルムは洗浄処理過程で、消毒剤の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるトリハロメタンの成分のひとつです。人への健康影響には、麻酔作用、肝臓、腎臓の障害があります。また、クロロホルムは発がん性を有する物質である可能性があります。

◆ジブロモクロロメタン

ジブロモクロロメタンは洗浄処理過程で、消毒剤の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるトリハロメタンの成分のひとつです。人への健康影響は、肝臓で酸化されてブロモラジカルとなり生体成分と反応して毒性を発現すると推定されています。

◆ブロモジクロロメタン

ブロモジクロロメタンは洗浄処理過程で、消毒剤の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるトリハロメタンの成分のひとつです。人への健康影響は、肝臓で酸化されてブロモラジカルとなり生体成分と反応して毒性を発現すると推定されています。また、ブロモジクロロメタンは発がん性を有する物質である可能性があります。

◆ブロモホルム

ブロモホルムは洗浄処理過程で、消毒剤の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるトリハロメタンの成分のひとつです。人への健康影響は、肝臓で酸化されてブロモラジカルとなり生体成分と反応して毒性を発現すると推定されています。

◆総トリハロメタン

総トリハロメタンとは洗浄処理過程で、消毒剤の塩素と水中のフミン質等の有機物が反応して生成されるクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムの各濃度の総和をいいます。その中でもクロロホルムが最も多く生成されますが、海水等の影響を受けている原水では臭素化トリハロメタン(ブロモホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン)が多く生成されます。

◆クロロ酢酸

クロロ酢酸は原水中の有機物質や臭素及び消毒剤(塩素)と反応し生成される消毒生成物のひとつです。除草剤や界面活性剤等として使用されています。

◆ジクロロ酢酸

洗浄処理過程において、原水中にフミン質やフミン質に類似した物質が存在すると、消毒剤の塩素と反応しジクロロ酢酸が生成されます。

◆トリクロロ酢酸

農薬(除草剤)や防腐剤などの河川への混入や、原水中にフミン質やフミン質に類似した物質が存在すると、消毒剤の塩素と反応しトリクロロ酢酸が生成されます。

◆ホルムアルデヒド

ホルムアルデヒドは合成樹脂や染料製造工場の排気及び排水、土木工事専用薬剤の混入により環境水中に排出されます。飲料水では、浄水過程において、原水中の一部の有機物質と塩素やオゾン等の消毒剤が反応して生成されます。

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その他の項目

◆陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤

界面活性剤とは、通常1個の分子の中に水に溶けるが油に溶けにくい性質の「親水基」と、逆に油に溶けるが水に溶けにくい性質の「親油基」の構造を合わせ持っており、液体の境界面に吸着・配向して界面張力を下げる性質を持っているものすべてをいう。界面活性を示す部分のイオン性により、陰イオン・陽イオン・非イオン・両性イオン界面活性剤の4種に分類される。界面活性剤は特に、洗浄能力を活かして一般家庭では洗濯用あるいは台所用合成洗剤として広く使用されている。陰イオン界面活性剤は経口による毒性や吸収・蓄積・皮膚への影響と言った問題の他に、生物学的に安定であることから環境中でも残存し、下水道が発達していない地域の河川における発泡・活性汚泥に対する影響による下水処理場での処理能力の低下、水生生物への影響・井戸水等への混入・更には合成洗剤中のリンによる富栄養化と言った問題も出てきている。0.2mg / l の基準は泡立ちの抑制の観点から決められている。非イオン界面活性剤はイオン界面活性剤のように水の硬度成分(カルシウム、マグネシウム)等の影響を受けることがないため、非常に少量でよく泡立ち、家庭用コンパクト洗剤として急速に利用が増えています。非イオン界面活性剤は陰イオン界面活性剤と同様に環境中に安定して存在できるため、環境ホルモンとして多くの生物に影響を与え、生態系の破壊を促している側面を持っています。

◆フェノ-ル類

フェノ-ル類とは、フェノ-ル(石炭酸)や誘導体であるクレゾ-ル等を総称したもので、主に防腐剤や消毒剤としてまた医薬品・農薬・合成繊維・合成樹脂・爆薬・染料等の各種製品の製造原料として利用されている。フェノ-ル類は自然水に含まれることはなく、フェノ-ルやクレゾ-ルを原料とする化学工場や石炭ガスプラント等の排水に含まれている。アスファルト舗装の道路に流れた雨水などから検出されることがある。毒性としては、タンパク質や細胞原形質を凝固させて死滅させる作用のほか、皮膚その他の粘膜から吸収され、中枢神経系に親和力を持ち、刺激を生じるとともに麻痺症を起こす。また多量のフェノ-ルを内服した場合には、皮膚粘膜腐食性が強いため、消化器系の粘膜の炎症のほか・腹痛・嘔吐・チアノ-ゼ・血圧降下・過呼吸・痙攣等の急性中毒が現れます。

◆塩化物イオン

塩化物イオンとは分かりやすくいうと塩分のことで、人体や食品の中にも含まれ特に海水に多く含まれています。基準の200mg/lというのは、塩味を感じない程度として決められたものです。塩化物イオンは地域差がありますが、ある程度は必ず含まれており、急激な値の変動により、水質の変化を知る目安となります。井戸水に人畜のし尿等が混入すると平常値よりもかなり多くの塩化物イオンが検出されるので、このような場合にはその原因を直ちに調べる必要があります。

◆カルシウム・マグネシウム(硬度)

水中のカルシウムやマグネシウムの量を表したものを硬度といいます。10~100mg/l 程度の水が「おいしい水」であると言われています。硬度が高すぎると石鹸の泡立ちが悪く、汚れが落ちにくくなることが知られています。また飲み水としては、高濃度であると下痢を起こしたり、胃腸障害を起こすと言われています。

◆蒸発残留物

蒸発残留物はカルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・珪酸・塩化物及び有機物の総量でほとんどが地質に由来するほか、下水放流・工場排水等が主な排出源である。蒸発残留物は、一般に白色を示すが鉄や有機物を含む試料では褐色を帯びる。蒸発残留物のなかでも溶解性のものは、基準値を超した場合でも健康への影響はほとんど問題ない。蒸発残留物に含まれる無機塩類は、一般に味に影響し、多く含む場合も極端に少ない場合も味をまずくする。その他無機塩類によって配管等に腐食やスケ-ルを生じさせます。

◆シアン化物イオン及び塩化シアン

シアンは未加工のほとんどの植物の果実や種子にわずかながら含まれていますが、自然水中に存在することは非常に稀です。シアン化合物はメッキ工業・金属精錬・写真工業の排水に含まれています。シアンの中毒症状としては、めまい・頭痛・けいれん等があり、高濃度の場合は呼吸中枢麻痺を起こし、死亡する場合もあります。

◆硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、亜硝酸態窒素

タンパク質等の有機物の窒素分は、時間とともに亜硝酸態窒素から硝酸態窒素に変化していきます。従って水中に多量に含まれるということは、生活排水やし尿の汚染があったり、田畑の窒素肥料の影響などが考えられます。硝酸態窒素・亜硝酸態窒素を多く含む水は、特に生後間もない赤ちゃんに対してメトヘモグロビン血症という呼吸を阻害する悪影響があることが知られいます。従って基準を超えた水は、少なくとも赤ちゃんのミルク等には使わないようにする必要があります。生後6ヶ月未満の乳幼児は硝酸態窒素が体内で亜硝酸態窒素へ変化するため合計した値で評価します。

◆有機物等(全有機炭素(TOC))

全有機炭素(TOC)とは、有機物のおおよその量を示します。有機物というのは分かりやすく言うと炭素を含む化合物のことです。私達、人間をはじめ動物・植物の体は有機物で出来ています。水が土壌の中で浸透していくに従って、また河川を流れるにつれてこれらの動植物の死骸や排泄物等は、微生物の働きによって分解され浄化されます。しかし、汚染がひどくなると自然の浄化能力を超えてしまいます。従って、有機物の量は汚染の程度を知る良い目安となります。

◆カビ臭物質

カビ臭物質には、ジェオスミンと2-MIB(2-メチルイソボルネオール)の2種類があります。これらは、ダムの水や湖沼水のような、水の流れのない水域で藻類が発生することにより生成され、水に不快なにおいをつけるもととなります。基準値は、臭いを感じる点をもとに定められているので、基準値を超える水がすぐに体に影響を与えることはありませんが、不快な臭気を与える水は飲料水位として適切ではないので、水道水の場合では、活性炭処理などの高度浄水処理を経て給水されています。

◆pH値

pH値とは、水の酸性・アルカリ性を示す数字です。地下水は二酸化炭素が多く含まれているので、微酸性のことが多いようです。従って、金属を腐食しやすく配管やポンプが錆びやすいので要注意です。井戸水やボ-リング水は水質の変化が少ないので、急激に酸性やアルカリ性変化したら工場排水や汚水等の混入が考えられます。

◆色度・濁度

色度は水の着色の程度を示しています。水に色が着く原因は地質によるものが多く、鉄・マンガン・フミン質等の有機物が関係しています。配管のサビが溶出して赤水になることもあります。濁度は水の濁りの程度を示したもので、原因は主に粘土や粗有機物によるものですが、浮遊している粒子の中に細菌が取り込まれている場合もあり要注意です。いずれも異常な場合は原因に応じて浄水器や除鉄装置・除マンガン装置をとりつけることが必要です。清澄な水は無色透明です。

◆臭気・味

臭気は汚水の混入や藻類の繁殖・水の通ってきた地質によって生じます。井戸水では土やカビの臭いがすることがあります。味は地質や海水の影響によることや鉄やマンガン等の混入によることがあります。いずれも異常な場合は、飲料水として不適であるばかりでなく、原因の追究と対策が必要です。

◆フッ素及びその化合物

フッ素が存在するのは、主として地質や工場排水の混入などに起因します。低濃度であれば虫歯予防に効果があると言われていますが、適量を超えると斑状歯となり、高濃度になると骨に異常をきたします。



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