ポジティブリスト制度

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ポジティブリスト制度
ポジティブリスト制度について
ポジティブリスト制度の導入に至るまで
わが国の食料自給率はわずか40%(カロリー換算)で、そのほとんどを海外に依存しています。このような状況のなか、平成14年に中国産の冷凍ほうれんそうから殺虫剤のクロルピリホスが食品衛生法に定める残留基準値を大幅に超えて検出されました。

一方、国内産の農産物も、ダイホルタンやシヘキサチン等の無登録農薬を使っていたことが発覚しました。

国内外のこうした農薬にまつわる不祥事が、農薬に対する消費者の不安、産地の信用失墜を招き、大きな社会問題となりました。 おりしも、遺伝子組換え食品、BSE,鳥インフルエンザ、原料原産地や消費期限の偽装表示等の不正事件が相次いで発覚した時期であり、消費者の食品に対する不安感が一層増大したのです。

「BSE問題に関する調査検討委員会報告書」(平成14年4月)の提言をふまえて、平成15年5月に食品安全基本法が制定されました。それに伴い食品衛生法が抜本的に改正され、平成18年5月29日までに食品中に残留する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品(これらを「農薬等」という)について、一定の量を超えて農薬等が残留する食品の販売等を原則禁止する新しい制度(ポジティブリスト制度)が施行されることとなり、農薬等に関する法規制が大きく変更されることとなりました。

従来の食品衛生法の規制では、食品から残留基準が未設定の農薬等が検出されても、その食品の販売を禁止するなどの措置が行なえませんでした。しかし、新しい制度では、原則、全ての農薬等について残留基準(一律基準も含む)が設定されました。さらに、基準を超えて残留した場合、その食品の販売等が禁止されます。
従来の食品衛生法では残留基準が設定されている農薬等は283でしたが、新しい制度では799にのぼります。

ポジティブリスト制度とは
以前の食品衛生法の農薬等注1の規制は、ネガティブリスト制度注2の考え方で運用されていました。

新しい食品衛生法では、ポジティブリスト制度注3の考え方で運用されます。このため、残留基準が設定されていない農薬が食品に一定量以上残留していることが明らかになった場合は、規制が可能となりました。
ポジティブリスト制度による規制には、3つの大きな柱があります。

1つ目は「残留基準」です。 従前の食品衛生法の残留基準に、国際的な基準や欧米等の基準を合わせて、 799農薬等に基準が設定されています。

2つ目が「一律基準」です。「残留基準」が 定められていない農薬等が「一律基準」を超えて食品に残留する食品は、販売等が規制されます。 「一律基準」は0.01ppm注4と定められました。

3つ目が「対象外物質」です。食品に残留してもポジティブリスト制度の対象になりません。 農産物を作るときに、農薬等として使用したものが食品に残留しても、人の健康を損なう恐れのない物質です。食品衛生法で重曹やアミノ酸など65物質が定められています。

ポジティブリスト制度は、食品中の農薬の分析を義務付けるものではありません。 従来どおり、農産物等の生産段階においては適正な使用や管理を行うことが重要であり、 食品の加工段階では原材料への使用履歴に関する情報を集め、適切に管理されたものを使用することが重要です。

注1:「農薬等」とは「農薬」「動物用医薬品」「飼料添加物」のことをいいます。
注2:ネガティブリスト制度では、原則規制がない状態で、規制するものをリストアップします。
注3:ポジティブリスト制度では、原則規制された状態で、使用、残留を認めるものについて
   リストアップします。
注4:1ppmは食品1kg中に農薬が1mg含まれる濃度ですから、0.01ppmは100kg中に農薬が1mg含まれる
   濃度です。


当会の取組み

当会は、食品衛生法に基づく厚生労働省の登録検査機関として、国産食品、輸入食品を対象に、食品衛生上必要とされる試験や栄養成分分析、微生物検査をはじめ、添加物や残留農薬についても、広範囲な試験検査を実施しています。

食の安全確保が注目されるなか、輸入食品の食品衛生検査も実施しており、その検査内容は残留農薬、抗生物質、食品添加物、微生物など多種多様です。

新たな項目の分析方法や分析技術の開発は、厚生労働省や国立医薬品食品衛生研究所を中心に、自治体や我々登録検査機関が協力して進められています。当会は、これまでの実績や高水準の分析技術を評価され、平成13年度より食品衛生登録検査機関協会の残留農薬作業部会と動物用医薬品作業部会の委員として「残留農薬分析法検討事業」に参加し、分析法の開発に貢献してまいりました。(エトキシキン、アザペロン、フェンベンダゾールの分析法など)。

平成17年度は、「残留農薬一日摂取量調査」事業に参加しました。 この事業は、日常の食事を介してどの程度の量の農薬を摂取しているかを調べるもので、調査結果は、農薬の暫定基準を設定する際の優先順位を決める重要な資料となります。
どんな農薬を分析すればよいか?
ポジティブリスト制度は、食品に残留する農薬等の分析を事業者に義務付けるものではありません。しかし、生産履歴が不十分・不明な場合などは、分析により安全性を検証する必要があります。

残留基準が設定された799品目の農薬全てを分析するのは、経済的にも時間的にも合理的でありません。

当会では、農産物や加工食品の残留農薬について、ポジティブリスト制度に対応した多成分迅速一斉分析業務を開始しました。分析する農薬は、栽培中に使用された農薬、ドリフト注1の可能性のある農薬、実態調査で検出事例のある農薬、そして輸入食品では検出事例の多い農薬などです。

使用農薬の残留量や隣接のほ場からの農薬の飛散量の確認、原材料のチェックや製品出荷前の確認、取引先への証明書提出などに是非ご活用ください。

全てのサンプルで添加回収試験を実施して信頼性の確保に努めており、今後も依頼者の要望に応えるべく分析体制の充実を図ります。

また、ポジティブリスト制度に関する「相談窓口」の開設や、インターネットによる相談も受け付けていますので遠慮なくご利用ください。

注1:「ドリフト」は、隣接する耕作地で使用された農薬による作物の汚染をいいます。


当会の残留農薬の分析について

ポジティブリスト制の導入で、基準値への適合判断には検査が必要となりました。

世界中で使用されている農薬成分は700あると言われており、それらへの分析対応はとても大変です。

分析方法の開発も重要で、多成分の農薬を効率よく迅速に分析できる一斉分析法が求められています。

当会では、残留農薬分析で超臨界流体抽出装置やGC/MSLC/MSといった分析機器の充実を図り、分析体制を整備しています。また、個別分析法と一斉分析法の分析結果の信頼性を確保するため、必ず添加回収試験を実施し、各分析工程を保証する標準物質を添加して精度を常に確認しています。

お問い合わせ先
全般的な事項は 業務開発課 TEL(082)293-0163 FAX (082)293-1520
技術的な事項は 業務管理課 TEL(082)293-1515 FAX (082)293-0840
Eメールでのお問い合わせは kankyo-c@kanhokyo.or.jp
関連サイトURL http://www.kanhokyo.or.jp/5_kankyo/5010_junkan.html
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