耐震診断について
耐震偽装が発覚してから建物診断の関心が急速に高まり、当材料試験室では第三者機関(公的機関に準ずる機関)として多くの耐震関係の試験をご依頼頂いています。
また、平成19年6月にISO/IEC17025「コンクリート・セメント等無機系材料強度試験」を取得しました。試験機関として試験精度向上をはかり、より精度の高い試験データの提供を行うよう努力しています。
耐震診断関係の試験項目
既存建物の耐震診断試験には、コンクリートの圧縮強度試験、中性化深度試験などあります。
- コンクリートコアの圧縮強度試験
- 〃 中性化深度試験
- 〃 塩化物イオン量試験
- 〃 密度試験
試験ご依頼のながれ
サンプリング
供試体コアの採取は、コンクリートコアドリルを用いてご依頼者様で採取願います。
供試体コアは原則として鉄筋がない箇所から採取して下さい。やむを得ず鉄筋を含む場合は、強度への影響が最も少ない位置でお願いします。圧縮強度試験の供試体コアの直径は、一般的に粗骨材の最大寸法の3倍以上です。
供試体の両端面は成形(カット、研磨等)が必要です。成形する際、片面最低20mm程度長さが必要です。できるだけ長めにコア採取をお願いします。
サンプリングについて不明な点があればお問い合わせ下さい。
コア採取状況
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圧縮強度試験
圧縮強度試験は、『コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法』JIS A 1107(2002)に基づき試験を行います。
成形後の供試体の直径と高さの比が1:2必要ですが、1:1以上あれば試験は可能です。
(供試体の高さと直径の比が1.90より小さい場合は、試験で得られた圧縮強度に補正係数を乗じて直径の2倍の高さをもつ供試体の強度に換算します。)
成形はカット、研磨及び石膏によるキャッピングがあります。
切断機
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研磨機
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コア供試体は、水中に40時間以上漬けて供試体の湿潤の条件をほぼ一定にしておき、圧縮強度試験を行います。
圧縮試験状況
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中性化深度試験
コンクリートの中性化試験は、『コンクリートの中性化深さの測定方法』JIS A 1152(2002)に基づき試験を行います。
採取コアを水洗いし、乾燥後コア側面にフェノールフタレインの1%エタノール溶液を噴霧、アルカリ呈色反応により呈色していない部分の長さを中性化深さとして測定します。
(供試体コアを割裂し、割裂面を測定する方法もあります。詳しくはお問い合わせ下さい。)
中性化深度試験がある場合、供試体は抜取後直ちにラップなどで密封して搬入して下さい。
現場での作業が困難な場合はお問合せ下さい。
ラップ状態
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中性化試験状況
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塩化物イオン量試験
コンクリートの塩化物イオン量試験は、『硬化コンクリート中に含まれる塩化物イオンの試験方法』JIS A 1154(2003)に基づき、硝酸銀滴定法で試験を行います。
圧縮強度試験の供試体とは別にサンプルが必要です。採取したコアは表面の水分を拭き取り、直射日光など当たらないようにし、ポリエチレン製の袋に入れて下さい。
採取したコアを粉砕、風乾して分析試料とします。
分析結果は「質量パーセント」で出ますので、1m3あたりの塩化物イオン量(kg/m3)が必要な場合は、密度試験をご依頼下さい。
塩化物イオン量試験状況
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密度試験
コア密度の測定は、質量と容積を測定し算出します。
試験期間は、コアが一定質となるまで乾燥させますので、約1週間~2週間です。
詳しくは、お問い合せください。
試験申込書類
試験申込書類は、依頼書と成績書の2種類必要です。
ダウンロードは、こちら
お問い合わせ先
一般財団法人 広島県環境保健協会 吉島分室 材料試験室
〒730-0825 広島市中区光南3丁目13番
技術的な事項については TEL:082-249-9535 FAX:082-249-6473
Eメールでのお問い合わせは、zairyo@kanhokyo.com