結果説明と保健指導について
“かんほきょう”健康クリニックでは、人間ドック受診当日に健診結果の速報を発行し、医師、保健師または管理栄養士が結果説明と保健指導を行っています。
受診者の皆様がいつまでも健やかで豊かな生活を過ごされるよう、丁寧な結果説明と保健指導を心掛け、お一人おひとりの健康づくりを支援させていただきます。
また、ご加入の健康保険で生活習慣病予防健診などを受診いただいた場合や、市町の補助制度を利用された場合などは、自己負担なしで「特定保健指導」を受診できる場合があります(ただし、補助金額の上限あり。特定保健指導を受けるためには、腹囲や血糖・血圧などの検査結果に一定の基準があります)。
「特定保健指導」では、約6ヶ月の期間で受診者の皆様の健康づくりをサポートさせていただきます。
検査項目のご説明
人間ドックの結果判定について
要再検査や要精密検査の判定を受けたときには
特定保健指導について
検査項目のご説明
人間ドックなどの健康診断では、現在のお身体の健康状態を知るために必要な検査をご受診いただきます。
ここでは、検査項目と基準値などについて説明します。
<計測>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
---|---|---|
BMI(kg/m2) | やせ:18.5未満 普通:18.5~24.9(*理想値は22) 軽度肥満:25~29.9 中等度肥満:30~34.9 高度肥満:35以上 |
・身長に見合った体重であるかを判定します。 ・BMI=体重÷身長÷身長 ・標準体重(kg)=22×身長(m)2 |
腹囲(㎝) | 男性:84.9cm以下(85cm未満) 女性:89.9cm以下(90cm未満) |
・臍の高さの腹囲を測定します。 ・内臓脂肪型肥満をみる指標のひとつです。 ・肥満の中でも内臓脂肪型肥満が生活習慣病や動脈硬化症を進行させます。 |
<血圧>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
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血圧(mmHg) | 正常血圧:90~119かつ / 50~79 正常高値:120~129かつ/79以下 高値血圧:130~139かつ/または80~89 高血圧:140/90 以上 低血圧:89/49 以下 ※高血圧治療ガイドライン2019より |
・血圧とは、心臓のポンプ機能により血流が血管の壁にあたる圧力のことです。 ・高血圧は動脈硬化症をもたらし、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こします。 |
<脂質>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
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LDLコレステロール (mg/dl) | 正常:60~119 境界域高コレステロール血症:120~139 高LDLコレステロール血症:140 以上 |
・コレステロールはホルモン等の材料として必要不可欠な脂肪成分です。 ・LDLコレステロール(悪玉)が過剰になると血管壁にたまり、動脈硬化症を招きます。 ・HDLコレステロール(善玉)は血中の余分なコレステロールを回収するのが役目です。 ・HDLの減少は動脈硬化症をもたらし、生活習慣病の原因となります。 ・中性脂肪は人間が活動するためのエネルギー源です。 ・過食や飲酒によるカロリーオーバーで中性脂肪が増加を来たし、肥満や動脈硬化症の原因となります。 |
HDLコレステロール (mg/dl) | 正常:40~99 低HDLコレステロール血症:39 以下 |
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中性脂肪(トリグリセライド) (mg/dl) |
正常:149 以下 高トリグリセライド血症:150 以上 |
<糖代謝>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
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空腹時血糖(mg/dl) | 正常:60~99 支障なし(正常高値):100~109 耐糖能障害(高血糖):110以上 |
・糖とは血液中のブドウ糖のことでエネルギー源として全身に利用されます。 ・ヘモグロビンA1cは過去1~2ヶ月間の血糖レベルを示しています。 ・空腹時血糖が126mg/dL以上かつHbA1c 6.5%以上なら糖尿病と判断します。 |
ヘモグロビンA1c(%) | 正常:5.5以下 支障なし(正常高値):5.6~5.9 耐糖能障害(高血糖):6.0以上 |
|
尿糖 | 陰性(-) |
<尿酸>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
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尿酸値(mg/dl) | 2.1~7.0 以下 | ・尿酸はたんぱく質の一種であるプリン体が代謝された後の老廃物の一つで、尿から排泄されます。 ・腎臓からうまく排泄できなかったり、プリン体を含む食物を多くとりすぎると、血液中の尿酸が増えて高尿酸血症となり、痛風発作や結石を引き起こす原因になります。 |
<尿>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
---|---|---|
蛋白 | 陰性(-) | ・尿蛋白は生理的に陽性になる場合もありますが、腎臓に異常がある可能性があります。 ・尿潜血は、尿の中の血液の有無をみる検査です。腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれかで出血がある可能性があります。 |
潜血 | 陰性(-) |
<腎機能>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
---|---|---|
クレアチニン(mg/dl) | 男性:1.10以下 女性:0.70以下 |
・クレアチニンは体の中の老廃物の一種です。腎臓の働きが低下すると、体外に排出できず、血液中に上昇します。 ・尿素窒素は、体内でエネルギーとして使われたタンパク質の老廃物です。腎臓の疾患や尿路閉塞で数値が上昇します。 ・eGFRは血清クレアチニン値と年齢・性別から算出した値であり、腎臓の働きを評価する指標です。基準値より数値が低いと腎機能の低下が考えられます。 |
尿素窒素(BUN)(mg/dl) | 男性:8.1~22.0 女性:7.1~20.5 |
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eGFR(ml/分/m) | 60.0以上 |
<肝機能>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
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GOT(IU/l) | 異常なし:30以下 支障なし:31~35 有所見:36以上 |
・GOTは心臓や筋肉、肝臓に含まれる酵素です。GOTの上昇は慢性肝炎以外にも心筋や筋肉の病気が考えられます。 ・GPTは肝臓に多く含まれる酵素です。GPTの上昇は主に肝臓の疾患(慢性肝炎・脂肪肝など)が考えられます。 ・γ‐GTPは肝臓以外にも膵臓や腎臓などにも存在する酵素です。γ‐GTPの上昇は、肝臓や胆道に異常の可能性があり、慢性肝炎、アルコール性肝障害、胆汁うっ滞が考えられます。 ・ALPは肝臓以外にも骨・腎臓・小腸・胆管などに存在する酵素です。胆汁うっ滞、妊娠中や骨の成長期、骨疾患でも増加します。 |
GPT(IU/l) | 異常なし:30以下 支障なし:31~40 有所見:41以上 |
|
γ‐GTP(IU/l) | 異常なし:50以下 支障なし:51~80 有所見:81以上 |
|
ALP(IU/l) | 異常なし:113以下 |
<膵機能>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
---|---|---|
アミラーゼ(IU/l) | 44~132 | ・アミラーゼは、膵臓から分泌される消化酵素の一つです。 ・膵臓が障害された場合、血中や尿中に増加します。 ・胆のうや腎臓の病気などでも、上昇することがあります。 |
<炎症>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
---|---|---|
CRP(mg/dl) | 0.3以下 | ・CRPは炎症性疾患や体内組織壊死があるような病態で著しく上昇する急性期反応物質です。 |
<血液一般>
項目(単位) | 基準値 | 検査の説明 |
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赤血球(×104/mm3) | 男性:400~539 女性:360~489 |
・赤血球は、肺で取り入れた酸素を全身に運び、二酸化炭素を回収して肺に送る役目をします。赤血球の数が多いと多血症、少なければ貧血が疑われます。 ・血色素とは、赤血球の中の物質で酸素を運びます。血色素の減少は、鉄欠乏性貧血などが考えられます。 ・ヘマトクリットとは、血液全体に占める赤血球の割合を示しています。数値が高ければ多血症・脱水などの可能性があり、低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われます。 ・血小板は血を固める能力を示します。血小板の数値が高い場合は血小板血症や鉄欠乏性貧血などが疑われ、低い場合は再生不良性貧血や特発性血小板減少性紫斑病などが考えられます。 ・白血球は細菌などから体を守る働きをしています。白血球の数値が高い場合は感染症や炎症、腫瘍の存在が疑われ、喫煙でも上昇します。低い場合は、再生不良性貧血などが疑われます。 |
血色素(ヘモグロビン) (g/dl) |
男性:13.1~16.6 女性:12.1~14.6 |
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ヘマトクリット(%) | 男性:38.0~48.9 女性:35.5~43.9 |
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血小板数(×104/mm3) | 13.0~34.9 | |
白血球(/mm3) | 3200~8599 |
人間ドックの結果判定について
当クリニックでは、検査の結果を7段階で判定させていただいております。
判定 | 判定の意味 |
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異常なし | 基準値の範囲内で、正常と考えられます。 |
日常生活支障なし | 基準値をわずかにはずれますが、ほぼ正常と考えてよい範囲です。(正常高値) |
要経過観察 | ごく軽度の異常です。自己管理に努めて、年に1~2回定期検査を受けてください。 |
要再検査 | 異常が疑われます。早めに医療機関を受診し、再検査をして経過を確認してください。 |
要精密検査 | 異常が疑われます。早めに医療機関を受診し、詳しい検査を受ける必要があります。 |
要治療 | 医療機関でより詳しい検査を受けたり、治療の必要があります。早めに受診して医師の指示を仰いでください。 |
要継続治療、治療中 | 現在治療中の病気については、結果の異常の有無にかかわらず引き続き治療を続けてください。 |
要再検査や要精密検査の判定を受けたときには
~あなたと、あなたの周りのひとのために きちんと検査を受けましょう~
自分の身体の健康を維持していくためには、定期的に健康診断を受け、その結果に基づいた健康状態の確認が大切です!
もし再検査(精密検査)を受けるようにいわれたら・・・。
と、放置してはいけません!
◇ 早期治療が可能な疾患でも、放置すれば進行して完治させるまでに時間がかかってしまいます。
◇ 病気なのか?たまたま体調が悪かっただけなのか?正しい判断が出来ません。
健康診断はスクリーニング(病気の可能性を推定するための検査)です。「要再検査」又は「要精密検査」の判定を受けた場合は、必ず二次検査を受診しましょう。また、「要治療」の判定を受けた場合は、治療の必要があります。
二次検査も「かんほきょう 健康クリニック」で受診できます!
二次検査のお申し込み・お問い合せ
特定保健指導について
厚生労働省は、日本人の死亡原因の約4割を占める生活習慣病の予防のため、40歳から74歳までの方を対象として、メタボリックシンドロームに着目した「特定健診(特定健康診査)」と「特定保健指導」の受診を推奨しています。
ご加入の健康保険で生活習慣病予防健診などを受診いただくと、「特定健診」を受診した扱いとなり、自己負担なしで「特定保健指導」を受診できる場合があります(ただし、補助金額の上限あり。特定保健指導を受けるためには、腹囲や血糖・血圧などの検査結果に一定の基準があります)。
また、市町の補助制度を使って「特定健診」をご受診された方も同様です。
「特定保健指導」では、バランスの取れた食生活の継続や、適度な運動習慣を身につけることなどを中心とした行動目標と、体重や腹囲、血圧などの数値目標を設定し、約6ヶ月の期間で、目標の達成に向けた、よりきめ細かな保健指導を実施させていただきます。
受診者の皆様に生活習慣の改善取組みの重要性をご理解いただくことが、皆様の健康寿命延伸の第一歩と考え、受診者の皆様に寄り添った保健指導を心掛けています。